アラ還個人事業主の雅栄です。
私は、朝食を駅前の立ち食い蕎麦屋さんでいただくことが日課になっています。
といっても、立ち席と座り席が混在しているので、立ち食いというよりは、ちょっとした食堂という感じです。
朝は、60代(?)くらいの気難しげなお父さんが、蕎麦を出してくれます。
注文するのは、毎回同じ具の載った蕎麦です。
食べる人はたぶん少ないはずのマイナーな具材。
でも、私はその具材が大好きで、ホントに毎回同じです(笑)。
でも飽きない美味しさです。
いつもと違う注文になった日
ところが、昨日に限って、食券販売機のボタンを押し間違えて、いつもと違う注文になりました。
自分のミスに気づかずに、食券をカウンターに差し出しました。
私が出した食券を見た気難しげなお父さんは、ニコニコ~っと満面の笑みで、「今日はいつものと違うんだね!?」と言いました。
その言葉に驚いて食券を見直すと、確かに、いつもと違う具の載った蕎麦だったのです。
私も思わず笑顔で、「たまには違うの食べたくて」と言いました。
実は、嘘でした。
本当は間違えたことに気づいていなかったのです。
でも、お父さんの笑顔を見て、正直に言えませんでした。
それに、たまには違うのもいいかなと思いました。
蕎麦屋のお父さんの笑顔
蕎麦屋のお父さんの笑顔は、初めて見ました。
いつもは無愛想で、ほとんど話さないお父さんです。
でも、その日は、私に「いらっしゃい!」や「ありがとやした!」以外の言葉をかけてくれました。
「この具は、あんまり人気ないんだけど、俺も好きなんだよね。」
「この蕎麦は、自家製のそば粉で打ってるんだ。香りとコシが違うでしょ。」
「今日は、いい天気だね。こんな日は、散歩でもしたくなるよね。」
たったこれだけのことで
たったこれだけのことですが、その日は私としては珍しく、ホノボノとして穏やかに過ごせました。
いつもと違う蕎麦も、意外に美味しかったです。
何よりお父さんの笑顔が、とても印象的でした。
会話も楽しかったです。
もし、食券ボタンを押し間違えていなかったら、お父さんの笑顔も会話もなくて、いつも通りの一日だったと思うと、何か不思議な感じがします。
間違いもたまには良いもんだと思いました。
人生は、予想外の出来事で、変わることがあるのかもしれません。
小さなことでも、大きな影響を与えることがあるのかもしれません。
たまには、いつもと違うことをしてみるのも良いのかもしれない、そう思わせてくれた出来事でした。
今回もお読みいただきありがとうございます。
よろしかったら、また読みにお越しください。